第五回 会議のやり方を変えてみる

普段どんなふうに会議をしているかな?(僕の職場ではほとんどの会議がそうだったけど)一方通行の会議になっていないかな?メンバーはリーダーに報告して、リーダーは了承するか却下するなら「XXXして」と指示を出すだけ。こういう会議をしていると、メンバーは本質を考える機会を無くしてしまうんだ。せっかく、複数の人が集まる機会があるんだから、ここで意見をぶつけ合わせて本質を見抜くトレーニングをしたらいいと思うんだよ。

ディスカッションをしてみる

聞いたことあると思うけど、複数の人が集まってあるテーマについて意見をぶつけ合うって事を、ディスカッションって言うよ。ディスカッションは本質を見抜くトレーニングに最適な場所なんだ。ディスカッションをするためには会議のオーナーがテーマを提示する必要があるよ。例えば、「XXXの障害対策について」とか「XXX案件のスケジュールについて」見たいな感じだよ。そのテーマについてメンバーで議論させるんだよ。議論させるときには、「なぜ?」という問いかけを意識してね。「なぜ?」を繰り返すと本質に近づいて行くよ。
ディスカッションをするときにはオーナーはメンバーの表情に注意してね。表情を見てメンバー全員が納得している表情をしていることが重要なんだ。もし、不満そうな人がいたら声をかけてあげてね。不満そうな人は言うタイミングを逃しているだけだから、きっかけを与えると話し始めるよ。おそらくその人は不満を言うだろうけど、その意見はおざなりにしないで尊重して皆で議論してみてね。
こうして進める事で、結論について皆が納得できた状態で会議を終えることができるよ。結論に納得できていれば作業に対して不満は発生しづらくなるよ。つまり、社員満足が向上して行くんだ。本質を見抜く力が付いて、社員満足が向上するなんて一挙両得だよね。

ファシリテーターを立ててみる

先ほどのディスカッションの説明でオーナーと呼んでいた人をファシリテーターって言うんだよ。簡単に言うとファシリテーターは会議の進行役だね。ファシリテーターはディスカッションを進めるうえで欠かせない存在になるよ。ファシリテーターの役割は以下の通りだよ。

  • テーマを提示する。
  • タイムキーパーを行う。
  • メンバー全員の均一な発言を促す。
  • メンバーの理解度を平準化する。
  • テーマの本質に近づけるために、「なぜ?」の問いかけを行う。

それぞれについて説明してみるね。

テーマを提示する

ディスカッションを進めるうえでテーマの提示は大切なポイントになるよ。テーマを提示することによって、アウトプットが明確になるからなんだ。ディスカッションを進めているうちにテーマを忘れてしまう事があるので、テーマはホワイトボードに大きな字で書きとめたりすることもあるよ。

タイムキーパーを行う

終わりの無い会議程、非効率なモノは無いよね。ファシリテーターは時間内にメンバーの意見を発散させ、結論に向って集約させなければならないんだ。ファシリテーターは時間内に結論に至れるように時間をコントロールする役割を持っているんだよ。

メンバー全員の均一な発言を促す

意見の本質に近づくためにはたくさんの意見を抽出する必要があるんだよ。たくさんの意見を抽出するためにファシリテーターはあまり発言をしていない人を指名して発言を促したりするんだ。前出で説明した不満を持っていそうな人に声をかけるのもこれにあたるよ。

メンバーの理解度を平準化する

ディスカッションはメンバー全員で進める必要があるんだよ。全員で進めるためにはメンバー全員がディスカッションに付いていける状態を創り出す必要があるんだ。このためにファシリテーターはメンバーを言った意見を言い換えてメンバーに伝える事を繰り返すんだよ。これによって、メンバーの理解度が上がって平準化されるんだよ。また、ディスカッションをしながら意見のグルーピングをしたり、ディスカッションの途中でこれまでの内容を振り返ったりもするよ。

テーマの本質に近づけるために、「なぜ?」の問いかけを行う

これは、意見の集約をするための手法だよ。ファシリテーターは今まで出てきた意見に対して「なぜ?」を繰り返しメンバーに問いかけるんだよ。これによって、ディスカッションは結論に近づいて行くんだ。詳しくは次回に説明するね。

ディスカッションの効果

繰り返すようだけど、ファシリテーターを立ててディスカッションをすると、短時間で効率的にテーマに対して結論を導き出せてかつ本質を見抜くトレーニングができるんだよ。ファシリテーターの詳細については、いくつか本が出版されているからそちらを読んでみてね。