SE時代の過酷な労働(体験談 其の二)

前回は残業240時間/月の話だったけど…今度はすごく短い期間だったけど、睡眠時間が異常に短い体験をあげてみるよ。これはこれで地獄を見たんだよ…

プロジェクトの内容

開発言語はC++言語、MFCを利用しているので一部クラス開発を利用している状態だったんだよ。プロジェクトの開始直前で見積もりで折り合いがつかなくって、スケジュールを押した状態で開始したんだよ。システム自体はスタンドアローン(ネットワークにつながってないって事ね)なので難易度が低目と思いきや、ATMの様な機械のソフト開発なので特殊な装備(カードを読み取る機械とかタッチパネルだとかそんなやつ)を制御しなきゃならなかったのでそういう意味では特殊な感じだったんだよ。

それに、一般的なWindowsのソフトは、親の画面があってその中で操作を行う感じ…設定などの細かい操作は別の画面が表示されて…って感じだと思うんだよ。でも、ATMの様なソフトって親画面が隠されていて(正確には無くって)子画面をくるくるループさせるような作りをするんだよ。どちらかと言うとWEBアプリケーションに近いかな…。WEBアプリケーションならそういう仕組みが初めから準備されていることが多いので比較的スムーズに開発が進むんだけど、Windowsアプリケーションでそれを実現しようとするとすべてを作りこむ必要があったんだよ。(難しい話でごめん…)

地獄の始まりと終わり

地獄の始まりは、CE(カスタマーエンジニア:機器の設置・保守などを行う人の事)さんの設定変更から始まったんだよ。ATMの様なシステムだからWindowsで開発されていることが分からない様にする必要があって、その設定変更をCEさんがやったんだよ。そうしたら、今まで動いていたソフトが急に動かなくなったんだ。(細かいことを言うと、Windowsデスクトップを立ち上げない様にしたので、デスクトップから情報を取得していたAPIが動作不能になった…)こりゃいかん!ってわけで、改修が始まったんだよ。想定外の事態だったので、当然の事ながらスケジュールが遅延したんだよ。

一先ず前出の改修が終わった後に、今度は耐久テストが始まったんだよ。耐久テストはとにかく人手で同じ動作を繰り返して、ソフトがちゃんと動作し続けることを確認するテストなんだけど、そこで動作不良を起こしちゃったんだ。(細かいことを言うと、一部の画面をメモリから解放できてなくて、メモリーリークを起こしちゃった…)これが厄介で、修正したら耐久テストを行うので、時間がとてもかかっちゃったんだよ。この耐久テストの対応で、ついに徹夜の連続になっちゃったんだ。

とにかく、耐久テストも乗り越えて納品にこぎつけたので、そこで地獄は終わったんだよ。スタンドアローンだったのが幸いだったかな…。で、その時の残業時間は正確に覚えてないんだけど、良く覚えているのは…朝一番で出社して帰宅するのは翌々日の午前3時ごろ…。自宅に帰ってお風呂に入って2時間の仮眠を取って、すぐに出社。これを3回繰り返したんだよ…。日数にして6日間…睡眠時間は合計で6時間…になっちゃったんだ。

最後は自宅で朝ご飯のパンをかじっていて、そのまま寝ちゃってたんだ…。そこで、ギブアップ…。ベッドに戻って会社に電話しようにも、電話をかけようとしている途中で寝ちゃう始末…。最終的に会社から電話がかかってきて、休むことを伝えられた感じだったんだ…

美談じゃない!

SEやっているとこういう事を自慢げに話す人が沢山いるんだよ。でも、ちょっと待ってほしいんだよ。本当にそれって自慢できる美談なのかな?僕的には恥ずかしい事故として話をしてほしいと思うんだよ。こんな美談を追求していたら、心や体を病んでしまう人が絶たないと思うんだよ。そんな業界に入りたいって学生も減っていくと思うんだ。確かにSE業界の給料は全体に比較すると安い方ではないと思うんだ。でも、その給料は命や人生を削って得られた給料だと思うんだよ。

そんなSE業界を僕は従業員満足度という観点から改善していきたいんだよ。