従業員満足が先か?顧客満足が先か?【追記】

従業員満足向上活動をしていると、よく顧客満足と従業員満足のどちらが先かって議論になることが多いんだよ。実は…僕が所属している会社の社長も「顧客満足を上げれば従業員満足は上がる!」と信じている人なんだよ。人によってそれぞれの考え方があると思うのだけど、ここでは僕がどのように考えているのか上げてみたいと思うんだよ。

顧客満足って?

そもそも、顧客満足って何なんだろう?顧客満足って「顧客を満足させる」ことだよね。顧客を満足させるだけだったら、最高のサービスを無償で提供すれば良いと思うんだ。でも、企業は社員を抱えていてその社員は家族を支えているわけで、企業が継続するためには売り上げが必ず必要になるんだよ。そうなると、顧客を満足させるものって言うのは「売上に対する最高の対価を提供する」って事だと思うんだ。

これは、売り物の値段を下げろって事ではないんだよ。値段を下げるにも限界があるからね。だから、「売上に対する最高の対価をお金には変えられないモノで提供する」これが従業員満足度向上の本質だと思うんだよ。

従業員満足って?

じゃ、従業員満足って何なんだろう?従業員満足の向上は社員に気持ちよく働いてもらうことによって、社員のパフォーマンスを最大限に引き出すことが目的だと思うんだよ。「気持ちよく働く」って言っても「会社が社員に至れり尽くせり」って意味じゃないんだよ。社員は会社のお客さまじゃないからね。もちろん多少の仕事場の環境を良くすることも必要なんだ。でも、会社が社員の欲求を全て満たしたら、会社が社員に食いつぶされちゃうんだよ。

じゃ、従業員満足を向上させるにあたって何が必要かと言うと、「社員たちが気持ちよく働くために意識を変えてもらう」って事が必要になってくるんだ。(僕はこのベースがアドラーの心理学だと思っているんだよね)

じゃどっちが先なの?

と、顧客満足と従業員満足の理解が進んだところで、復習を含めてどちらが先か考えてみるよ。顧客満足は「売上に対する最高の対価をお金には変えられないモノで提供する」で従業員満足は「社員たちが気持ちよく働くために意識を変えてもらう」って事だったよね。

「顧客満足を向上させたら従業員満足は向上する」…つまり「売上に対する最高の対価をお金には変えられないモノで提供したら、社員たちが気持ちよく働くために意識を変わる」は真偽のどちらかな?僕はこの答えは偽だと思うんだよ。「顧客満足度を向上させて喜んでもらえたら社員たちが気持ちよく働ける」って事が到達点の社員たちは承認欲求にとらわれているんじゃないかと思うんだ。もちろん、僕だって喜んでもらえたらうれしいんだよ、でもそれは実現の過程でしかないんだよ。本当の喜びは実現の後に待ってるんだ。

「従業員満足を向上させたら顧客満足は向上する」…つまり「社員たちが気持ちよく働くために意識が変わってもらえたら、売上に対する最高の対価をお金には変えられないモノで提供できる」はどうだろう?可能性は0%じゃないと思うんだよ。もちろん、社員の意識が変わって会社に対する貢献感で仕事ができる様に、社員に意識を変えてもらう必要があるんだよ。変われば、顧客満足度向上の本質をちゃんと分かって仕事ができるようになると思うんだ。

社員の意識向上は?

じゃ、社員に意識を変えてもらうためにはどうしたらいいのだろう?僕が推している「アドラー心理学」なのかな?僕は「アドラー心理学」だとも思っていないんだよ。アドラー心理学は確かに有効だと思うんだ。でも、表面的に受け取って実行に移しても、意識の変化にはつながらないと思うんだよ。大切なのは…

「たくさんある情報を入力として、考えて自分の答えを導き出す考える力」

だと思うんだ。考える力が無ければ、どんな情報を受け取っても有効に使えないと思うんだよ。

結局どっちが先なの?【追記】

結論書いてなかった事に昨日の夜気が付いたので、結論を書いてみるよ。
前出の文章を見てみると、「顧客満足より従業員満足が先」って見えるけど、強引さがぬぐえないんだよ。だって、1人の社員に影響を与える人たちはその人の周りにいる人たちで、それは会社の社員だけでなくお客様も含まれると思うんだよ。ただ、ビジネスなんで、そこまで視点の高いお客様ばかりではないと思うんだ。特に経済が冷え込んでいる昨今は、意図的に視点を下げざるを得ないこともあると思うんだよ。

それを前提に考えると、顧客満足は「顧客と会社の関係性」で従業員満足は「会社と社員の関係性」って言えると思うんだ。「会社と社員の関係性」を良くして「顧客と会社の関係性」をおざなりにすることは出来ないし、その逆も出来ないと思うんだよ。そういう意味では、両方を並行して進める事がより良いと僕は思っているんだよ。