第一回 顧客満足度が先か?従業員満足度が先か?
以前、上げていた「社員満足度向上についての論理展開」を見直そうと思うんだ。あの記事って、アドラー心理学を勉強する前の記事だったし、少し僕の考えも時間と共に変わってきているからね。と言うわけで、まずは「第一回 従業員満足度向上の考え方」について説明したいと思うんだ。(以前書いた記事と被るところがあるかもしれないけど、それは勘弁してほしいんだよ)
従業員満足度って聞いてあなたは何を思い出すかな?「きれいで清潔な職場?」それとも「やりがいや達成感のある仕事?」かな?何故、お金じゃないのかな?人によって価値観が異なるので、従業員満足度って言葉に対しても価値観が異なってくるんだよね。でも現在において従業員満足度は「お金」ではないことに間違いないんだ。なんで「お金」ではなくなったのか…それは少し歴史をひも解いてみる必要があるんだよ。
高度経済成長期からバブルの崩壊
僕が入社する前の話…僕の父親が働いていた「高度経済成長」と呼ばれる時代…僕は小さいころ父親に「人の上下は金を取るか出すかできまる」って言われてたんだよ。確かに過去にはそんな時代もあったと思うんだよ、「高度経済成長」や「バブル経済」だったり。お金がありふれていて、お金はいくらでも出すからほしいモノを手に入れる時代だったんだ。だから、売る方は「買いたくないなら売らないよ」って姿勢で、その結果「買い手より売り手が上」って関係ができちゃってたんだよ。
でもその後、バブルは崩壊して…お金を出す側の人たちが財布のひもを縛っちゃったんだよね。今まで、豊満な経営を行ってきた企業は売上が無くなって、売り手と買い手が逆転しはじめるんだよ。つまり、「価格下げないと買ってやらないよ」ってなって「売り手より買い手が上」って関係が出来始めるんだ。そこで、企業が注目したのが「顧客満足度(CS)」なんだよ。
「顧客の満足度」が高ければ買い手が付くので、安定した売り上げが期待できたんだね。ここでしばらくは「顧客満足度」の時代が続くんだよ。でも、裏側では企業を継続させるためにリストラが施行されて、「終身雇用制」が崩壊していくんだ。でも、働いている人は昔気質の人が多かったから、会社は「辞めさせられるまで働く(辞めさせられない様に働く)」場所だったんだよ。
リーマンショックから現在
バブル崩壊から少し持ち直した(ミニバブルとか小バブルって呼ばれている時代)と思ったら、「リーマンショック」が起きるんだよ。ここで不況は日本だけのものではなくなって、アメリカやヨーロッパを巻き込み始めるんだ。日本ではバブル経済の崩壊を経験しているから、「残念また不況か…」って感じだったかもしれないけど、当時と明らかに違っていたのは企業で働いている人たちが「終身雇用の崩壊を当たり前と捉えている(会社にこだわらない)」人たちだってことだったんだ。
会社にこだわらない人たちは、如何に気持ちよく働いて(仕事以外の)人生を豊かにするかって事が価値観になっていたんだよ。現在の日本を見てみても、企業の精神病対策が問題になったりしているのは、如何に人間らしい生活をするかが価値観になっている証拠ともいえると思うんだ。そこで、企業は「従業員満足度」に注目し始めるんだ。従業員が気持ちよく働ける環境を作れば、良い人材が集まって(留まって)、より良い会社に出来るって考えたんだよ。でも、「従業員満足度」を向上させる効果はそれだけじゃないんだよ。
従業員満足度向上の副次的効果
「従業員満足度」を向上させた結果、会社には2つの大きな変化が現れるんだよ。1つ目は内面的な変化で、社員のモチベーションが上がることで「生産性の向上」や「自律的な効率化」が進むんだ。2つ目は外面的な変化で、社員のやる気が顧客に伝わって、結果「顧客満足度」が向上するんだよ。これは、
「顧客満足度向上」
↓
「売り上げ増大」
↓
「朗号の対価(給与)の増大」
↓
「モチベーションの向上」
↓
「顧客満足度向上」
って自立的な好循環を生み出すんだ。
さて…
あなたの会社では「顧客満足度」を向上させるのかな?
それとも、「従業員満足度」を向上させるのかな?
会社を成長させたいなら、僕は「従業員満足度」を向上させるべきだと思うんだよ。
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