怒りと言う感情

僕が、自分で言うのも何なんだけど…怒りって感情がほとんど無い人なんだよ。一回目の結婚をするまでは、なんで人は怒ってしまうのか分からないくらいだったんだ(笑)高校の時なんかは、「無感情・無感動」って言われたことも有ったけど…いやそこまでひどくなかったし、確かに怒ることは無かったんだ。でも、アドラーを勉強するとなんで「怒り」と言う感情が必要なかったのか、少しわかった気がするんだよ。

アドラーの心理学における「怒り」

アドラーの心理学では「怒り」の感情は2次感情だって言っているんだよ。2次感情がどういう事かと言うと、「怒り」の感情が表面化する前に「怒り」以外の感情があるって事なんだ。「たしかに」って思う人も多いと思うんだよ。色々なホームページを見てみると、「「怒り」は2次感情なので、相手には1次感情を伝えるべき」って書いてあることが多いんだけど…でも、2次感情を使う目的がはっきりしないと「怒り」を抑える事って難しいかと思うんだよ。じゃ、人は何で「怒り」と言う感情が表面化するのかな?

「怒り」の感情の目的

「怒り」の感情が表面化した時を思い出してみたいんだよ。

  1. 子供に対して「何回言っても言う事を聞かない!」
  2. 上司に対して「口先ばかりで何もしない!」
  3. 親に対して「色々指図するな!」
  4. 友人に対して「気にしていることを馬鹿にされた!」
  5. 恋人に対して「浮気してた!」

まぁ色々あるし、上げ始めたら多分きりがないんだよね。気が短い人なんか特にそうだと思うんだよ。まぁそれは置いといて、上の「怒り」の感情が表面化した時の共通点を考えてみたいんだよ。「1.」に注目してみると、「子供を自分の思い通りにしたい」って気持ちが垣間見えるよね。子供の将来を考えていたとしても、「将来を思い通りにしたい」って解釈できるんじゃないかな。「2.」は「自分の期待に応えてほしい」って感じかな?「3.」は「自分の思った通りにしたい」ってところ…「4.」は「自分に気を使え!」…「5.」は「浮気はしちゃいけない!」って感じかな?よくよく見てみると、「自分と他者の想いのギャップに対して、自分の想いを押し付けている」事が見えてくると思うんだよ。つまり振り返ってみると「自分の思い通りにいかない」ことに対して「怒り」を感じていることに気が付けると思うんだよ。(皆の共通認識とずれていることに「怒り」を感じる人も居ると思うけど、それはたまたま「共通認識=自分の想い」だったって事だね)

「喧嘩」を見てみる

怒りの目的が分かったところで、「喧嘩」しているところを思い出してほしいんだよ。「喧嘩」って、お互いに「怒り」の感情を表面化させている状態って言えるんだと思うんだ。つまり、「お互いに自分の想いを相手に押し付けちゃってる」状態なんだよ。だから、際限なく喧嘩が続いちゃんだよね。「喧嘩両成敗」って良くできた言葉だなぁって思うよ。外野から喧嘩を見てみると、意外に「視点が違うだけでお互いに間違った事は言っていない」事が多かったりするよね。だから周りの人は「まぁまぁ冷静になって…」って両者を落ちつけようとするんだと思うんだよ。冷静になって「相手の意見を聴き、自分の意見を伝える」…そして「本質を見抜いてお互いの妥協点を模索する」…これってディスカッションだと思うんだよね。

1次感情を伝える

「喧嘩」って余談が入っちゃったけど…「怒り」の根源は「自分の想いの押し付け」ってわかったところで、なんでアドラーは1次感情を伝えるべきと言っているんだろう?これはアドラー心理学の認知論につながる事だと思うのだけど、「自分の想いは、相手にとって選択肢の1つでしかない」ってところだと思うんだよ。ある事象をどのようにとるかは、各個人にゆだねられているんだよね。だから「怒り」と言う道具を使って「自分の想いを相手に押し付け」ても、相手はその通り従う義務はないんだよね。その通り従うか従わないかは相手の課題なんだよ。(「課題の分離」だね)つまり、大切なのは「押し付け」を取り除いた「自分の想いを伝える」部分であって、「自分の想い」こそが1次感情であるって言えると思うんだよ。

でもたまに、1次感情が分からないって人も居ると思うんだよ。瞬間的に本来とは別の感情につながっちゃう人だよね。僕なんかは瞬間的に「悲しみ」の感情につながっちゃう人なんだよ。だから、小さいころは泣いてばかりいたんだよ。そんな1次感情が分からない僕が効果的だと思ったトレーニングがあるんだよ。それは「感情を言語化する」って事なんだ。日常的に今の感情を言葉で表すとどうなるかって言うのを、常に自分に問いかけるようにしたんだよ。そうすることで、とっさに適切な1次感情の表現ができるようになったんだ。あくまでも僕の経験によるトレーニングなので効果のほどは分からないけど、やってみる価値はあると思うんだよ。

心を開く

1次感情を他者に伝える事って、意外に恥ずかしい事だと思うんだよ。でもその正直さは他者に伝わって、心を開いてくれると思うんだよ。心を開いてくれた他者は、自分に厳しいことを言うかもしれないよ。でもそこは自らの心を開いて、貴重な意見(新たな選択肢)を貰ったと思って、受け止めることが肝要だと思うんだよ。