『LIFE SHIFT』を読んでみたよ

最近流行っているらしい、『LIFE SHIFT』を読んでみたんだ。結構読むのに時間かかっちゃった(^_^;) 読んでみると、以前紹介した『父親になる、父親をする』や『おとなが育つ条件』に通じる話が出ていたりしたんだ。全体としては、安倍政権下で進められている、『働き方改革』そのものなんじゃないかと感じたんだよ。

目次

先ずはいつも通り目次なんだ…

序章 100年ライフ
第1章 長い生涯─長寿という贈り物
第2章 過去の資金計画─教育・仕事・引退モデルの崩壊
第3章 雇用の未来─機械化・AI 後の働き方
第4章 見えない「資産」─お金に換算できないもの
第5章 新しいシナリオ─可能性を広げる
第6章 新しいステージ─選択肢の多様化
第7章 新しいお金の考え方─必要な資金をどう得るか
第8章 新しい時間の使い方─自分のリ・クリエーションヘ…
第9章 未来の人間関係─私生活はこう変わる
終章 変革への課題

大きく二つの内容に分けることが出来るんだよ。一つは「お金」の話で、もう一つは「人生の歩み方」の話なんだ。

お金の話

この本には大きな大前提があるんだ。それは、「これからの人は、寿命が確実に伸びて、100歳以上生きる人が増えていく」って事なんだ。そんなバカなって感じなんだけど…統計を取ると平均寿命は確実に伸びているみたいなんだ。

もしそれが事実だとすると、老後の資金が長生きすればするほど必要になるよね?ヤバいぞ!って話なんだ。もちろん死ぬまで働くんだったらそんなの関係ないけどね(笑)大概の人は、定年を迎えたら老後をのんびりと…って考えてるんじゃないかな?

本当に100歳まで生きられるとすれば…本当にのんびり暮らすためには、相当な資金が必要になるって言ってるんだ。

人生の歩み方の話

100歳まで生きて老後が長い…という状態にはならないって言っているんだ。そもそも、老後の資金が不足するってことは、何かしらの仕事をして資金を工面しながら老後を過ごさなければならないってことだよね。「仕事をしている老後」って…そもそもこれって老後とは言えないって言っているんだ。

つまり、「学生・社会人・老後」の3ステージの人生ではなくなるって…それに取って代わるのが、4ステージや5ステージの人生だって言っているんだ。特に日本の人生の送り方は3ステージに凝り固まっている感を受けるよね。

さらにそれぞれのステージの過ごし方が「エクスプローラー」「インディペンデント・プロデューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」の3種類あるって言っているんだ。この3種類を組み合わせて、4~5ステージの人生を送るようになっていくって言っているんだよ。

3種類の「過ごし方」を簡単に説明するよ。

エクスプローラー

僕が感じるイメージは「ワーキングホリデー」かな…。企業という枠から単身飛び出して、異文化に触れたり、はたまた小さな商店を経営してみたり…。様々な経験を積んで、自分自身の価値を高めるって過ごし方なんだ。

インディペンデント・プロデューサー

これは、「起業家」ってイメージかな?自分のアイデアなどを、具体化するために起業する。本書の中の言葉を借りると…「職を探す人ではなく、自分の職を生み出す人」ってことなんだ。

上記2つに共通して大切にしていることは「様々な経験」や「多種多様な人脈」だって言っているんだ。本書で終始強調されているのは「無形の資産」が重要になるってことなんだ。この無形の資産を蓄えることによって、人生の選択肢が増え、100歳まで生きられることの恩恵を受けられるって…。

ポートフォリオ・ワーカー

これは、「複数の役割」を持つ過ごし方ってことかな?副業を持っているってことに限らないんだ。「父親」「コミュニティー」「企業の社員」様々な役割を並行して持ち続ける過ごし方なんだよ。

100歳まで生きる為の資産を蓄えるために、今後共働きがやむ得ない世界になるそうなんだ。そうなった時に、「男性はお金を稼ぐ人」という固定観念が覆るって…。つまり、男性だって家事をしたり、子守をしたり、近所付き合いする必要が出てくるってことなんだ。

父親になる、父親をする』や『おとなが育つ条件』には別の観点(人格的成長)って観点で書かれているけど、文化的に「家事をしたり、子守をしたり、近所付き合いする」必要が出てきて、「家事をしたり、子守をしたり、近所付き合いする」をすれば人格的に成長できるんであれば、これを選択しない手は無いんじゃないかな…?

「働き方改革」について

今の日本において「働き方改革」って言ったら、なんだか「残業減らし」「労働人口の創出」「同一労働、同一賃金」って所が注目されているよね。ネットで「働き方改革 目的 政府」って調べても、かっちりしたものが引っかからないんだ。

これはあくまでも推測だけど…もしかすると「LIFE SHIFT」が本当の目的なのかもしれないね。

最後に…

印象に残った部分を2箇所引用したいんだ…

変化の担い手になるのは、企業でもなければ政府でもない。煎じ詰めれば、その担い手は私たちだ(p396)
結局は、一人ひとりがはっきり意思表示をし、自分の希望とニーズを明らかにすることにより、企業の変化を後押しすることが必要になる(p398)

何事もそうなんだけど…待っていても何も変わらない。自分から変えるための行動を起こしてこそ変化が生まれる…ってことなんだよね。