第五回 従業員満足度向上活動 開始宣言!

前回は選抜メンバーによる会社の課題の発見を行ったんだよ。これで、社員がどう感じていてどんな会社にしたいかが見えてきたと思うんだ。目標が見えてきたので一歩進んだ感じがするよね。今回は、本格的に従業員満足度向上活動を始めるための、キックオフをするんだよ。ここで、大切なのは社長の存在だったりするんだ。

仕事をしている人は、みんな感じていると思うのだけど。社長の一言って言うものは、会社(社員全員)を動かすだけの影響力があるんだよ。この社長からの「従業員満足度向上活動をやるぞ!」って一言があるのと無いのとでは、今後の従業員満足度向上活動のやりやすさが大きく変わってくるんだよ。そういう意味では、社長(役員込みの経営層)の従業員満足度向上に対する本気度を試されているって意味もあるんだ。従業員満足度は社員の気持ちが相手なので、かなりデリケートなんだよ。中途半端に宣言して、効果が出ないとそれはそれで、従業員満足度を下げる結果につながってしまうんだ。

社長からの従業員満足度向上活動開始宣言(漢字多い…)は経営方針の説明会の様な全社を集めて開催する会議の場で宣言するんだよ。経営方針説明会と同時に(むしろ、経営方針に含めて)やると効果が期待できると思うんだ。でも、全社で開催する会議って人が集まり辛いんだよね。だからと言って、無理やり集めることは無いと思うんだ。むしろ、人が集まらないのは従業員満足度の帰属意識の低さが問題だから、「人が集まらない」ことを真摯に受け止める必要があると思うんだよ。

特に社員の多くがお客様先に常駐して仕事を進めている会社だと、帰属意識ってなかなか持ってもらえないと思うんだ。でも、従業員満足が向上して行けば、帰属意識も向上して行くこと間違いなしなので、ここは真摯に受け止めて今後に期待してほしいんだ。

社長の発表内容

社長から社員の前で説明するって事は、社長が社員の前でプレゼンテーションするって事だよね。何をプレゼンテーションするかと言うと、前回(第四回 従業員満足度向上活動 前準備編)の討論会で発見した課題などを基にするんだよ。内容は、「社長がこうしたい」ではなくて、「社員はこう思っている」をメインにプレゼン資料を作成するんだ。これによって、社員たちは「社長が自分たちの話を聞いてくれる」って感じることが出来るんだよ。つまり、プレゼンの内容は以下の様になると思うんだ。

  1. 従業員満足度向上の目的
    今なぜ、従業員満足度の向上が必要なのか?
  2. 討論会開催への流れ
    討論会を開催するまでの経緯
  3. 討論会の開催結果
    社員たちが思っていることを見せる
  4. 社長の正直な思い
    一次感情を社員に伝える。(でも、やる気を削がない!)
  5. 従業員満足度向上活動開始宣言!
    従業員満足度向上活動を開始するって宣言する。責任者・担当者の紹介。
  6. 社長が思っている理想の姿
    社長の想いはココだけ!想いを述語的に伝える!

細かい理論とかは伝える必要は無いんだよ。むしろ、伝えちゃダメなんだ。細かい理論は従業員満足度の活動の中で、社員が自ら発見することだからなんだよ。だから、意外に社長の宣言はすっきりとした内容になるかもしれないんだ。(すっきりしすぎちゃうと、社員の心に残らないので適度な重さは必要だけど…)

で、社長の宣言が終わったら、具体的な活動の説明が居ると思うんだよ。そこは、社長じゃなくって従業員満足度向上の担当者が説明してほしいんだよ。これは、「活動は社員がやる!」って事を感じてもらうためなんだ。

担当者の発表内容

担当者が説明する必要があるのは、従業員満足度向上活動のワークグループの立ち上げ宣言なんだ。しつこいようだけど、従業員満足度を向上させるのに「与える」施策は向上に限界があるんだよ。「社員自ら行動する」事が必要なんだ。だから、担当が施策を考えて実行するのではなく、ワークグループを立ち上げて、そこで施策を考えて実行する様にしないといけないんだ。

ワークグループを立ち上げるにもメンバーが必要だと思うのだけど、メンバーは原則的に募集って形をとるんだよ。募集をすることで、従業員満足度を向上させたいって本気で思っているメンバーを集めるんだ。ここがかなりポイントで、集められたメンバーで活動をすると、結果追求型の表面的な活動になりかねないんだ。本質を強襲するするような活動をしたいのであれば、自らやりたいって思っている人を集める必要があるんだよ。

といっても、募集してもなかなか人が集まらないことが多いんだ。周りの目を気にしていたり、仕事が忙しすぎてそんなことできないって思っていたり。そんな時は、「興味がある」って人を探してみると良いと思うんだ。興味があると言う事は、やってみたいけど出来ないって思っているに違いないんだよ。「仕事が忙しいとなかなか…」って言うなら、責任者の力を使ってほしんだ。自ら率先して活動に参加した事実を、会社公認にすることで参加者は胸を張ってワークグループに参加できるようになるんだ。

と言うわけで、担当者が説明する内容は以下の通りになると思うんだ。

  1. ワークグループの立ち上げ宣言
    社長の宣言を受けて、ワークグループを立ち上げることを宣言する
  2. ワークグループの目的
    もちろん「従業員満足度の向上」が目的になるはず
  3. ワークグループの活動の流れ
    ディスカッションを中心に進めていくことを伝える
  4. ワークグループメンバーの募集
    メンバーを現場から募集する
  5. 責任者・担当の想いを伝える
    一次感情を述語的に伝える

後はある程度参加者が集まるのを待つんだ…。メンバーは大体社員全体の2%程度で良いと思うんだ。400名規模の会社の場合、10名位のメンバーが集まると良い感じなんだ。もし、会社の規模が大きい場合は、部署単位で10名前後になるように分けて活動すると良いと思うんだ。もちろん、それぞれの部署と情報交換をするために、各部署の活動を統括するワークグループも必要になるよ。

今回はここまでにして、次回はワークグループの具体的な活動を説明しようと思うんだ。(と言っても、討論会の内容とかなり被ると思うけど…)